トップメッセージ

2025年、自動車業界および自動車リサイクル業界は、環境意識の高まりと技術革新に伴い、大きな転換期を迎えています。電気自動車(EV)の普及や車両の高度化が進む中、使用済自動車の発生台数は約260万台と過去10年で最低水準を記録し、円安の影響も相まって、使用済自動車の仕入れ市場では価格が高騰しており、自動車リサイクル業界を取り巻く環境は一段と厳しさを増しています。

一方で、「資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律」の施行や、国内外でのカーボンニュートラル達成に向けた取り組みの加速により、業界全体には新たな責任と成長の機会が生まれています。また、自動車リサイクル部品業界では、「オールリサイクルパーツネットワーク」の取り組みを背景に在庫共有ネットワークが拡大し、供給力の向上が進んでいます。しかし、供給力の向上に伴い、企業間競争も激化しており、お客様に選ばれる企業であり続けるためには、詳細な情報収集や市場分析を行い、多様化するニーズに応える力が求められています。

さらに、車両の高度化に伴い、自動車メーカーや動脈産業との情報連携を強化し、車両データを活用してリユース部品の品質や適合性を向上させる仕組みの構築も重要となっています。このような背景の中で、JARAは業界を牽引する存在として以下の取り組みを進めてまいります。


1. リサイクル部品市場の活性化

リサイクル部品市場をさらに活性化させるため、「オールリサイクルパーツネットワーク」の取り組みを推進し、在庫共有ネットワークを拡大します。これにより、多様なお客様のニーズに対応可能な環境を整え、利便性とサービス品質を向上させます。さらに、詳細な車両データや部品情報を収集・活用できるシステム基盤の整備を進めるため、システム投資を加速してまいります。これにより、リユース部品の品質向上や適合性の精度を高めるだけでなく、効率的な在庫管理と迅速なサービス提供を実現します。

また、自動車メーカーをはじめとする動脈産業との情報連携を強化し、車両や部品データを市場に活用することで、業界全体の競争力向上を図ります。これらの取り組みは、業界全体の発展を支える基盤となるとともに、お客様への信頼性の高いサービス提供を可能にします。


2. 使用済自動車の確保

リサイクル部品の安定供給を支える基盤として、使用済自動車の調達活動を強化します。JARAは、動脈産業や中古車業界との連携をさらに深め、効率的な調達体制を構築します。また、デジタル技術を活用した情報共有の仕組みを活性化させることで、調達活動の精度と効率を向上させ、より多くの使用済自動車を資源循環の仕組みに取り込むことを目指します。これにより、業界全体の安定性と持続可能な発展に貢献してまいります。


3. 持続可能な循環社会の実現

JARAは、部品・素材・データを効率的に結びつけ、使用済自動車の価値を最大化することを使命としています。この取り組みにより、業界全体が持続可能な循環社会の一翼を担い、使用済自動車のナショナルプラットフォーマーとして、社会に新たな価値を創造するモデルを構築してまいります。


JARAはこれからも、業界の未来を見据え、環境保全と技術革新の調和を図りながら挑戦を続けてまいります。業界関係者の皆様とともに、より良い未来を創造していく決意です。皆様の変わらぬご支援とご協力を心よりお願い申し上げます。



2025年3月13日
株式会社JARA(日本自動車リサイクラーズ・アライアンス)
代表取締役社長 田淵 洋一

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